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その問いを受け、カレルはアレスを見て言った。
「……アレスがこんな状況の時に悪いけど、俺はあいつを追いかける。
俺はゼロを止めたい。
『終焉をもたらす者』になんかにならせるわけにはいかない」
「ステラさんを殺そうとしたんですよ?
アレスさんは、実際に死にそうになったんですよ?
それでも追うと言うんですか?」
アイナが睨みつけるような視線を向ける。
それに臆さず、カレルは頷いて言った。
「俺はゼロを追いかける」
その答えに、カタリナが不機嫌そうに眉を歪める。
「正直、わたしは追いかけたくない。
だって、ステラは心から尊敬してて、本当に好きだったのに、殺そうとしたんだよ?
仲間だからって、友達だから手助けしたいって、その気持ちが1番強かったのは、アレスなんだよ?
それなのに、こんな仕打ちってある?」
カタリナの言葉に、カレルは深いため息を零して頷いた。
「お前たちの言い分は正しいし、その気持ちは俺にだってある。
それでも、俺はこれで終わりには出来ない。
何も知らないまま、勝手に決めつけられたまま、終わりになんて出来ない。
少なくとも、ゼロが黎明の方程式を諦めた理由、こんなことをしたその理由を知るまでは終われない」
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