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奥の幕に通された政則は、一触即発の状態でも動じていなかった。
政則「拙者、蜀の福島政則と申す。今日は、我が蜀の諸葛孔明殿からの手紙を預かり、周瑜殿に渡す様に言付かって来た。」
周瑜「何?孔明からの手紙だと?」
政則「はい。孔明殿からの手紙を預かって来た。」
周瑜「その手紙を早く見せよ!」
政則「手紙は、拙者が無事に陣の外に出るまで開けないと保証するなら今すぐ、渡すが?」
呂蒙「何を言ってるんだ!早く手紙を渡せ!」
周瑜「呂蒙!控えろ!」
呂蒙「し、しかし…」
周瑜「福島政則殿でしたな?約束は守る。」
政則「承知した。これが、孔明殿からの手紙だ。」
政則は孔明からの手紙を手渡した。
周瑜「確かに孔明殿からの手紙は頂いた。呂蒙。軍使を陣の外までお連れしろ。」
呂蒙「帰して良いのですか?」
周瑜「約束は守ると言った以上守らなければ、多分、ここに居る全員死ぬだろうな…」
そうである。政則は、護身用に短銃を懐に忍ばせていたのである。
呂蒙「判りました。それでは、軍使殿こちらへ。」
政則は、呂蒙に連れられて、無事に外に出たのであった。
魯粛「提督…本当に帰して良かったのですか?」
徐盛「そうですよ。我等が束になって掛かれば容易かったものを…」
周瑜「いや、あのまま襲っていたら逆に皆、死んでたぞ。」
呂蒙「提督の言う通りでした。今、軍使を送ったのですが、丘の上に蜀軍が待機していましたよ。」
周瑜「攻撃して来る気配は?」
呂蒙「いや、軍使が戻る否や、引き上げて行きました。」
魯粛「じゃぁ~もし、襲っていたら全滅だったと言うのか?」
呂蒙「間違い有りませんな…」
徐盛「ところで、手紙は何と?」
周瑜「そうであった……何々?」
周瑜は、孔明からの手紙を読み始めた。しかし、読んで直ぐに周瑜は顔を真っ赤にし、ブルブル震えていた。
魯粛「て、提督?どうなされた?」
周瑜「お、おのれぇ~孔明めぇ~!必ず…必ず貴様の首を…ゲボッ…ゴホ、ゴホ、ゴホ。」
周瑜は、怒り狂い出し始めた時に、血を吐いて辺りをバタバタと転げ回った。
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