一章 代理戦争

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某財閥会館場内 英嗣「今日は嫌な天気だねぇ。古傷が痛みだすよ。」 執事「英嗣ぼっちゃま、あれからもう5年です。傷自体は感知しておられるハズなのですが。」 英嗣「やはり昔の記憶とともに痛みだすのだよ……降ってきたね。」 執事「しかし、ぼっちゃま、“全世界平和条約”以降世界は少しの争い事にも敏感になっています。このままずっとなんの問題も無く進められますかどうか…」 英嗣「だからこそこの“代理戦争”があるのだよ。金持ちが金持ちを潰す為だけの政策だ。そのうち己の馬鹿さに気付くだろう。それまでは気楽にこの仕事を続けるよ。」 執事「しかし、いつも同じ場所とはいえ…いつかはあの架空戦場の場所も感付かれてしまいます…」 英嗣「この世の中金が全てだ。昼のニュースを見ていただろ?少しでも金をちらつかせればこちらの思い通りのシナリオを読み上げる。少しでもおかしな真似をする奴らにはしっかり消えてもらっているからね。」 執事「そうでございますね…少し出しゃばり過ぎました…申し訳ございません…」 英嗣「いや、いいんだよ。お前はいてもらわないと困るからね。」
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