二章 血の臭い

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厳重警戒観察室 隣にすぐ水道管でも通っているのだろうか… やたらかび臭い… 水の流れる音だけが響き渡る。 俺はこんな所で記憶など取り戻せるのだろうか? 奴ら俺をどうするつもりだろうか… 俺は取り敢えず部屋をグルグル歩き始めた… その時に気付いたのだが、暗闇に目が慣れたのだろうか、壁ぎわに深い削り後を見つけた。 細い傷が5本… 上から下に1㍍程だろうか… …ん? 恐る恐る俺は自分の手を当ててみた… あまりにも5本の指全てに当てはまる… これは人の指後か… だとしたら…ここで壁をひっかきながら息絶えたのかもしれないな… ここはやはり治療所では無いな… 嫌な予感が当たり始めているのか… 何度か傷跡をなぞっているうちに『ゴトッ』と大きな石の固まりが落ちた… まさか…?
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