二章 血の臭い

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某財閥会館場内 執事「ぼっちゃま、お客様がおいでです。」 英嗣「客か。誰だ?」 執事「新しいお客さまでございます。」 英嗣「新規加入か。その内日本国内でも戦争が起こるかも知らんな。」 執事「どういたしましょう…」 英嗣「構わん。通してくれ。」 執事「はい。」 部屋に入ってきたのはかなりガタイのいい男と小柄な男の二人。 小柄な男「初めまして英嗣さん。」 英嗣「よくおいでくださいました。どうぞ、お座りください。」 小柄な男「失礼します。さっそくなんですが…」 英嗣「すまないね、名前を教えて頂けると有り難いのだがね。」 小柄な男「これは失礼を…私は“黒崎”と申します。そしてこっちのデカイのが“岩口”」 英嗣「黒崎さんと岩口さんですか…わかりました。」 黒崎「では、よろしいですかな?」 英嗣「はい。どうぞ。」 黒崎「あなたの噂は常々聞いております。そこでですが…今回はカナダをお願いしたい。」 英嗣「カナダですか…」 黒崎「その結果次第ではあなたにまだまだお願いしたい事がありますので。」 英嗣「そうですか。わかりました。やってみましょう…」 黒崎「ありがたい…それではこちらを…」 そう言うと岩口は持っていたアタッシュケース2つを机の上に並べた。 英嗣「いやいや、黒崎さん、前金は頂いておしません。結果をごらんになってから又おこし頂きたい。」 黒崎「これはほんの気持ちですよ。激励の意味も込めての…」 英嗣「……わかりました。一時的にお預かりいたしましょう。」 黒崎「…」 英嗣「結果は逐一報告させて頂きます。それでよろしいですね?」 黒崎「構いません。そちらのペースでお願いしますよ。別に急ぎではございませんので。」 契約を交わすと二人は館を後にした… 英嗣「カナダか…何か臭うなぁ…」 黒崎「英嗣か…大した事無さそうだねぇ。」 岩口「あれに任せて平気なのか?」 黒崎「とりあえず相手の行動パターンは把握しとかないとね。」 岩口「そうだな…」
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