三章 自由そして…

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森を抜けてから少しした場所に街はあった。 “月欠” と書いた看板の向こうには大きなビルが立ち並んでいた。 戦時中にもかかわらずこんな大きな建物…一番に落とされるんじゃないのか? 迷彩柄は浮いてしまうんじゃないかと思っていたが、案外この街には迷彩が溢れている。 こいつらも兵士か?だが全くもって戦意が感じられない… そうしている間にも街の中央辺りまで来ていた。 そして見上げると大きなモニターからスーツ姿の男二人が話しをしている。 キャスター「この“全世界平和条約”について正しい説明を頂きたいのですが。」 ゲスト「はい、まずこの条約の意味ですが、簡単に国同士の争いを無くす為のものです。それにこれには3つ大切な内容も含まれています。1つ目は文字通り平和を期待するもの。2つ目は戦争こそ悪だと言うこと。3つ目は戦争を起こす愚かな人間に対しての大いなる恨みに似たもの。」 キャスター「なるほど、で、最近は本当に世界は安全に平和になっと言えるのでしょうか?」 ゲスト「なっていますねぇ。間違いなく。これだけ世界グルミの条約は初めてですからね。それを背く事は世界を敵に回す事になりかねません。」 キャスター「そうですか。私やはり今までを見てきているだけあって……」 何を言っている?わけがわからん。 俺はさっきまで戦場に居たハズだ。 それなのに戦争は今起きていない? 確かにここの人間はあまりにも無防備過ぎる… 何がどうなっているんだ?
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