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「何にもないよ。幸せだよ」
笑顔を作ろうとするが、唇の端が震えてうまく笑えない。
「顔に出るからすぐわかるよ」
ひろくんがあたしの鼻を優しく摘み、おかしそうに笑う。
あたしは、うまくまとまらない自分の気持ちを一生懸命伝えた。
2人で過ごす胸が膨らむような嬉しさより、ちくちくと胸を差す罪悪感の方が大きいこと。
パパの寂しそうな顔が、ふいに浮かんでくること。
ひろくんは、あたしの手を握り、黙って話しを聞いてくれた。
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