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「…あたし、作るっ」
「ええから。
ここ来たら甘えろて、いつも言うてるやろ?」
な?と村上は言い聞かすように微笑んで、立ち上がろうとした紫織を再びソファーに座らせた。
わしゃわしゃと頭を撫でられる。長年の村上の癖みたいなものだった。
キッチンへと向かう背中を眺めながら、紫織の心にはあたたかい感情が滲んだ。
村上に撫でられた頭に、そっと触れる。大きな手の温もりが、いとしくなった。
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