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「痛いわぁ!
何すんねん、信ちゃん!」
紫織は頭をさすりながらソファーから起き上がると、涙目で痛みの原因を見上げる。
「何すんねん、やないわ!そんなとこで寝て、風邪ひいても知らんで」
「………だって」
急に、眠り込む前の悲しみを思い出してしまった。一気に気分は下降して、やりきれない思いに苛まれる。
思わずうつむくと、いつもより優しい声が頭上から降ってきた。
「……なんや、また何かあったん?」
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