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もっとも、一口に失恋と申しましても、失恋には様々なタイプがあります。
好きな人にフラれたのか、大好きな人にフラれたのか、付き合いたての恋人にフラれたのか、結婚しようと思っていた恋人にフラれたのか。
あるいは、恋人が突然死んでしまうケースだってある。
これは大きな大きな失恋です。
これまでの失恋研究は、このスタートの部分が大変曖昧だったように思います。
リープ・チャーチル(1912-96)の「失恋論」を、私は若い頃からそれこそ聖書のように何度も何度も読みましたし、そこで解明される失恋のメカニズムとその考察は大変優れているものの、いつもひっかかるのはこの最初の部分です。
まず、その失恋がどのような種類のものであるのかを識別する事なしには、しっかりとした失恋研究は成り立ちません。
手前味噌な話なのですが、この部分に関しての学術研究は私が世界の第一人者のようでありまして、世界各国の恋愛学者が、この失恋の初期段階における心の傷を割り出す数式をハラフリの定理(the Harafuri theorem)と呼んでおります。
この定理も前回お話したプルチョフ定数と同様に複雑な計算式を要しますが、非常に大雑把に申せば、自尊心をどれだけ傷付けられたかという事と、相手をどれほど好きだったのかという事、それに、これまでの恋愛経験値、という三つの数値における三角余弦関数の定理であると言えます。
傷付けられた自尊心、これは失恋を考察する上でキーワードになる重要な概念です。
「どうやったら失恋から立ち直れるのか」という問いに思い切って一言で答えるならば、「傷付けられた自尊心が回復する事」と申せましょう。
相手の事をどれほど好きで居続けようとも、傷付けられた自尊心が回復出来れば、人はそれほど激しい心の痛みは感じないのであります。
これからお話する10の方法も、実は最終的には己の自尊心をどうやって回復するか、という方法論に多くを依拠しています。
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