第一回~気になる異性を確実に口説き落とすための10の方法~

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「恋愛は罪悪である」とは夏目漱石が『こころ』の中で言った言葉ですが、恋愛は、神が多くの動物の中で人間のみに許したもうた非常に高度な精神活動です。 この精神活動は本来、種の保存という人間の本能的生殖衝動に依拠しますが、傾向として文明が進めば進むほど高度になり非本能的になります。 有り体に申せば、文明が進むとその恋愛の中でのセックスという行為が占める割合が総体的に下がって来る。 この、恋愛の中でセックスが占める割合が最も下がったのは、19世紀フランスの宮廷及びその周辺のサロンにおいてであります。 彼らは、セックスを野蛮な行為と認識し、セックスに拠らない刹那的な自由恋愛を楽しみました。 恋愛学の権威であるO.J.ハミルトン(1911~89)の研究によると、最終的にそのパーセンテージは12%という驚くべき数字にまで下がりました。 このような恋愛においてセックスが占める割合をポルチョフ定数と申しまして、大学院生レベルにならないと出来ない複雑な数式を用いて割り出すものなのですが、先進国の健全な男女である場合、この比率が38%である時、人間は最も幸せを感じると言われております。 非常に大雑把に申せば、皆さんは恋人と過ごす時間のうちの平均38%を、相手と肌を重ね合わせる時間に当てれば良い、という事になります。これはセックスだけじゃなく、その前後の愛撫や、その他もろもろのスキンシップをも含ませての数字であります。 もちろん、恋愛の開始当初はこの数字が跳ね上がる事は皆さんもよくご存知の事だろうと思います。 私がこのように申しますと、一々そんなパーセンテージを考えてセックスをしている訳じゃない、とおっしゃる方もおられると思います。それはその通りで、その方が健全な感覚であるかもしれません。これはあくまでも文化人類学と統計学とを融合させた学者が出した数字でしかありません。
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