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「またアレで来るな………ホーンを鳴らし続けてあえて俺にエンジン音を聞こえないようにするもアリだが生憎今日は土砂降りで後ろを確認しにくい
頼みのサイドミラーは無いし
音を聞き分け、あのトリックを見破るしか手はないな」
そしてその時は来たり
左コーナー前
小早川はベストラインをトレースするために右に寄る
「行くぞ…………
このトリックはわかるまい!」
アルテッツァの音が左からしただけだが小早川は鳥肌が立ち、全身の毛穴が開いた
「来た………フェイクか………本当に左からか……
こうなりゃやれることはやる!」
再びクラクションを連打する
トンネルは長い
クラクションはロータリーサウンドと共に反響して消えていっただけだった
しかし小早川は直感した
「反響か…………?
ミッドナイトローズも立体交差、響かす条件はピシャリだ
できんのか………そんなこと………
俺の考えが正しければこいつは本当に音を曲げている!」
小早川は強くブレーキを踏んだ
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