Let's job change.

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また今夜も走りには行かない 戸惑いながらEighty Sixに入店 「よう」 神林はブラックコーヒーを飲んでいる 「あ………どうも」 どこかぎこちない 「テストドライバーだってな?」 「そうです」 「身構えずに気楽にな、セッティングに口出したりするだけで十分だ まさか下手に弄られて86のフィーリングが狂うとでも思うか?」 「いや、神林さんなら走らせずともほとんどを完成させられると思います」 「そうだ、ほとんどを完璧に近づけるために雇ったんだ 今まで以上に86のセッティングを意識する できるよな?」 「ええ、86ならまかせてください」 「うん、ほぼいつも通りで構わないからよ」 コーヒーをぐっと一気 「じゃ走ることが、仕事な訳だ 宣伝を兼ねてな」 神林は三枚ステッカーを出した R・S・S、Eighty Six、板金春川だ 「小さくないですか?」 「いいのよ、仮にもプライベートカーだし レシプロでも似たようなフィーリングにするセッティングを出したEighty Sixの86にどんと貼るさ さ、貼ってこい」 そうだ、転職がてんやわんやで気付かなかった ━━━━86が完成している
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