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「すみません。300に踏み込む前に１つ聞いていいですか？」
「なんだ」
「これ、限界まで足回りパッキンパッキンにしてありますよね？
微妙に隠されてますけど」
「わざとだ」
「踏んで大丈夫ですか？」
「当たり前だ」
「ならいいです」
290km/h台でキープしたアクセルをそっと踏み込む
「（パッキンのキックバックがモロに来る
この速度でレーンチェンジできるか？
大井迄に終わらせる！）」
299…………
「（長い、この瞬間………！）」
大台に乗せる直前
1km/h加速させるものの１秒程度
意識すればするほど長く感じられる
「（まだか…まだか？…………まだか!?）」
メーターが示すは300km/h！
「（いろんな86を長いこと見てきたが、間違いなく一番速い
ドライバーも頭おかしいな、これは
こんな足回りで300km/hも出せるもんなんだな………）
よし、大井から京橋、C1内回りで帰ろう」
「ふぅーっ…………
疲れますね、やっぱり」
「普通は疲れるくらいじゃ、済まないっての」
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