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C1外回りに入るべくJCTの坂を駆け登り、後方へ寄った荷重を一瞬で殺し急旋回
トリッキーな京橋に入ったが再びジリジリと差を詰めていく
「(操作するのは人だ
やはり恐怖感を殺しきれない分がある、そこらへんはこちらに分があるな
しかし謎のシフトワークは健在、鬼のようなハンドリングテクニックに追従していたかと思えば速度に合わせてシフトしているように思える
やはり不測の事態に弱いと見て十中八九間違いないだろう)」
小早川は先行逃げきりを諦め遊撃に徹することにした
「(いざ追い付かれたとてどうする?
ストレートなんかで急ブレーキなりやらせればいいんだが…………)」
考えに嵌まり込み、小早川らしくなく痛恨のアンダーステア
前輪が前方へと滑る嫌な感覚がハンドルを伝って来る
「くっ、しまったァ!」
直ぐにパワーオーバーに持ち込み無理矢理ドリフトを決める
「これで終わりね!86ごときが私の邪魔をするから!」
すかさずRX-8に並びかけられる
「ここでやられてたまるか!」
ドリフトを終わらせず、強引に被せる
半車身のリードを辛うじて保つことができた
「(並ばれてたら一巻の終わりだった……)」
緊張により止まっていた呼吸を正すと、手に汗を握っていたことに気付く
「(焦ったなありゃあ……
まだまだ甘いな、俺も)」
素早く汗を服で適当に拭う
「(銀座で並んだのはヤバいな、橋脚に一般車がいたら運頼み
そうでなくてもこの程度の事ならば修正してくるあっちに対して俺は無力だ……どうすっかな)」
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