Rorring Guy vs UNLIMITED vs D3

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右車線にRX-8、反対側には86 次は不幸中の幸いか左コーナーだ コンクリートウォールによるブラインドコーナーであるこの先には憂慮である京橋名物・橋脚が待ち構えている 「(頼む…………いないでくれ……………)」 祈り届かず、左車線の橋脚を今通りすぎんとする一般車が見えた 以前までの86でさえミラー破損、至るところを板金屋の世話になったというのにリニューアルされたエアロによってワイド化された86では安全のため広く一車線とられているとは言え、同時に通り抜けるのは不可能である 小早川の車両感覚は皮肉にも一沫の希望すらなく、ただただ絶望的な現実を一瞬にして悟らせるだけだった 声もなくほくそ笑む12時過ぎのシンデレラに対し、小早川に諦めの様子はなく瞳に光は失われてはいなかった 「橋脚をあの車が抜けるのが先か!俺が追い付くのが先か! 運試しだ、やるしかない!」 緩めかけたアクセルを確かめるように力強く踏みつけた
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