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コーナー立ち上がり直後とはいえ相対速度はおよそ30km/h
前の車が焦りで余計に鈍く、86が速く感じる
橋脚を一般車が抜ける
車両全体が抜けきっても86を滑り込ませるスペースがなければいけない
86が通れるスペースが空けられる相対速度ではないのは明らかだった
申し訳程度の隙間だけ
しかし小早川はそこに隠された突破口を見逃さなかった
「そこだ!」
小早川がアクションを起こす瞬間、12時過ぎのシンデレラにはまさしく第六感とも言うべき何かが凍りつくような感覚がした
流石は新十三鬼将
反射的に車を右に寄せる
それとほぼ同時に視界に白煙を上げながら突っ込んでくる86が目に入った
予想の遥か斜め上を行く登場の仕方に彼女は圧倒された
その確かな動揺はステアリングミスを誘発しガードレールにリアをヒットさせた
事故になるような衝撃では無かったが、アクシデントを想定されていないレーシーな硬めの足は一気にバランスを失った
「なんで…………なんでこんなぁぁああああ!
私を……!私をこんな………………!」
新十三鬼将のプライドはズタズタだった
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