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最初の左コーナーに差し掛かる
例え集中力が散漫だろうと手足に染み付いた何かが86を減速させていく
ドリフトでさえも無意識的にこなす
しかし……!
ここでドリフト中にアクセルを全閉にするイージーミス
「クソッ、やっちまったか!」
ハーフスピン状態に陥った86を根性だけで立て直す
「立て直したか……
笑止!あの程度のミスをするとはな!
俺は乗れてる、何だか知らないがこのまま勝たせてもらう!」
湾岸線でも一級品の最高速を誇るキリングマシーンのZ32はピーキーな部類に入るだろう
そのためパワーバンドを外さない走りが重要である
それを完璧にこなす今日の彼は確かに乗れている
彼をこの精神状態で追うのはあまりにも酷であろう
しかしやると言ったからには引き下がるのはプライドが許さない
衰えども尚神業
勝手に四肢が動く、しかしそれは小早川にしてみれば醒めることのない悪夢を見させられているようだった
「動け!動け!動け!
俺はもっと86を速く走らせられる!」
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