225人が本棚に入れています
本棚に追加
/244ページ
遠藤モータース
「(なんだか人気が無さそうだが、誰か居るのか?)」
とりあえずこの一言
「すんませーん」
「あいよー今そっち行く」
奥からオッサンらしいツナギを着たオッサンが出てきた
「小早川って言う者だけど…」
「あぁ弟さんか!話は聞いてる、来な」
連れられた奥にはエンジンがあった
「これは小さいエンジンだなREか?」
オッサンがにやつく
「その通りこれはREだ。だけどなルマンで走ったあのマツダの787Bあるだろ。あれに積む予定だったんだがレギュレーションに合わなかった13Gだ」
小早川の目付きが変わった
3ローターなのは見て分かるがそんな代物とは思いもしなかった
「なぜこんな所に…ふつうマツダにあるか廃棄されてるかのどちらかでしょう?」
「この業界は結構アングラだったりするのさ、ちょっとした所からこんな代物が流れて来ることは珍しくない。
まぁこんなのが来るのは滅多にないがな」
「なんで俺にこんな凄いエンジンを…」
「悟が見付けたんだよ、詳しくは言えないが『弟の86に』ってな」
ふと疑問が浮かぶ
何故俺なのか
兄の86に積めば戦闘力は比類なきものになるんじゃないか、と「お前さんが考えてる事は分かる
『なんで俺なのか』だろう?」
小早川は見抜かれたことにさほど驚きはしなかった
「顔に出てました?」
「いや、そう考えるのが人だろう
悟は悟にない何かをお前さんに感じたんじゃないか?
じゃなきゃそんなことする奴でもないだろう
さて、今日はわざわざ来てもらったんだけど見るだけになっちまうな、今週中には積めると思う、楽しみにしてな」
小早川は深く一礼した
「ありがとうございます」
代車に乗り込みそこを後にした
最初のコメントを投稿しよう!