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「待て!」
声が聞こえ車を止める
「忘れてた忘れてた、これは俺の考えでは無いんだが丁度いいと思ってな、ついて来てくれ」
店の裏には綺麗なバイパーがあった
「やっぱりアメ車は迫力がありますね。
このバイパーがどうかしたんですか?」
車好きの共通の癖だろうか、小早川は色々な角度からバイパーを見回しながら尋ねた
「あのグシャグシャのボディを起こせる人間がいて、変わり者でな。
顔合わせ兼ねて試験をしたいそうで、内容はバイパー乗って地図の所まで来い。
だそうだ」
地図は他県を示してはいるが、車で行けばそう遠くはない所だ
「そんなんでいいんですか?」
とたんにオッサンは困った顔をした
「このバイパー俺も興味あって乗って見たらさ、俺には運転できなかった
こんな足回りでコンピューター1つ入れてない
チョンとアクセル踏んだだけでぐるぐる回っちまったよ……」
確かに他のチューニングカーの残したスリップ痕だと思っていたものはよく見ると、バイパーのリアタイヤに続き、二転三転していた
「死んじゃいますよ!
こんな極端なハイパワーマシン、何百万かかった良いものでも棺桶でしょう!?」
変わり者って言っても程がある
狙いは分かる
ハイパワーマシンにおけるアクセルワークを試したいのだろう
「言った通り変わり者なんだ、悪い奴では決してないがな
無駄に……職人気質というかな…………
無傷で行けばそりゃあもういいボディになるだろう」
あそこまでダメージを受けた車を起こせる人間の難題
小早川の燻っていたプライドに一気に火がついた
「上等!行ってきます」
乗り込みアクセルを踏む
チョンと踏んだつもりだったが激しくホイルスピン!
「これで法定速度……
いや、サーキットでも無理があるだろ」
だが
ここで諦める訳にはいかない
全ては銀座のリベンジをするために
首都高に舞い戻るべく
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