いざ魔の棲む領域へ

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「パッシングしてきたが………どうする?さっきスピンしたばかりだが」 「上等ですよ。やってみせます こんなカッコだけの走り屋なんかノーマル86で十分です」 小早川はハザードを点滅させた 「煽ってやんよ!」 「無茶すんなよ、まだ慣れてないんだ」 「踏んでこそのこのクルマですから、未知の領域だろうと行くまでです」 「(ほう………わかってんじゃないか)」 神林は無言で不敵な笑みを浮かべた 左コーナー 「まだ踏み切れない、確実に回ろう」 大外からシルビアが抜きにかかる 「86のクセしやがってこんなコーナーでそんなにチンタラしてちゃ世話ねーなァ!ヒャハハハ!」 コーナーを抜けた時点で2台並んでいた 「見てろよ!86なんかに直線負けるわけないぜ!」 しかし! その10秒後にはシルビアは失速していた 「ハァハァ…嘘だ!こっちは300馬力出てるんだ。なんで追い付けない!」 すでに小早川達の眼中にS15はなかった 「なんとか踏めるようにはなってきました。キックバックの強さには疲れますがね」 「そうか… (飲み込みが早いな…伊達に86で生きてきた訳では無いのか)」
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