究極のエアロを探して

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「春川ぁ~!いるかー」 …………………… 気配も応答も物音一つない 微かに小早川の声がエコーしているあたり、人気の無さが伺える 「誰もいないのか?相変わらず殺風景な店だな………本当にやってんのか?」 「悪かったわね、殺風景で!」 突然のご登場に驚く小早川 「あ、あぁ、いたのか……」 「うちは見込んだ客だけにボディを作ってあげるって決まりがあるのよ!」 「言い訳すんなっ 俺はこんなアホトークしにきたんじゃないんだ」 ガサガサと封筒を取り出す 「水道代は早目に払いなさいよね」 「断じて違う! 水道代って最後の砦じゃねーか ところでなぜ俺はエアロが欲しいのに寂れた板金屋にいるんだろうか」 「いやー、悟が作る人は知ってても場所が分からないらしくって、私が丁度知り合いだからって」 「(兄貴はそんな天然ボケキャラだっけな…?) じゃあ、早くそこの住所を教えてくれ」 「ははははー、ここで私の出番なのです あっちはあなたの事知らないから私がついてって紹介してあげなきゃいけないのよ。どっちにしろあなたのお兄ちゃんはどこにいるか分からないし、私が行く事は最初から決まってた事なの。さ、行くわよ」 なんのためらいもなく86の助手席を開ける美香 「いや待て、俺が連れてくのか?」 「当たり前でしょ 私のそこの180SXで行ったってダメじゃない エアロ作ってもらうのは哲の86だもの」 美香の指差す方にはライトチューンとおぼしきネイビーの180SXがある しかしあったというだけで確かに自分の86をチューンするのだから意味が無いと思い多少嫌々ながら運転席へ 「……行くか… よろしくな、顔パス」 「誰が顔パスかっ」
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