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ギャラリーの1人が叫んだ
「こ、小早川兄弟ィ!?」
そのギャラリーの一言で赤城の山は様々な噂に取り巻かれる
「86なんてどこにでも…」
「完璧な首都高仕様の86じゃんかよ!」
「あのドリフトは…!」
それから一時間強
赤城山がようやく静まるころ
86は高崎に戻った
「到着っと」
小早川はそう言うとサイドブレーキをかけ降車した
続いて島崎も降りる
「後ろの奴の居眠りを止めたらどうだ?自慢の86の後部座席がよだれまみれになる前にね…」
島崎はクックッと笑いを堪えながら暗くなった店のシャッターを開ける
「春川っ!起きろ!」
美香の口からはよだれがごうごうと出て今にもシートに付きそうになっていた
「(垂れないでくれよ………)
お~い春川姐さん着きましたよ~」
刺激しないよう猫なで声で起こした
それに反応し、もそっと起き上がる美香
「あ゙~っ」
「まずこのティッシュで口の回りを拭け、ていうか拭いてください」
ティッシュを差し出す
「ん゙~っ?ああこの大量の布でね…」
大量の布で……?
「それはシートだっ!寝ぼけてんな!ほらっ……ゔっ…」
既にシートはよだれまみれになってしまっていた
「ちょっと、そこになおれ」
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