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「ナズナ!起きろっ!」
俺は彼女が眠る部屋のドアをガンガンと叩く。
ここまでしないとアイツはなかなか起きない。
…チグサとは大違いだな。
一瞬そう思ったが、すぐに首を振り、再度ドアを打ちつけた。
ちらっと腕時計に目を落とす。もうすぐバイトの時間だ。
「お~い、バイトクビになっちまうぞ?」
そう脅せば、いつも大声でわめき、泣きそうな顔をして飛び起きてくるはずのアイツだが、今日は物音ひとつしない。
……?
「…ナズナ?入るぞ?」
不信に思った俺は、普段は入らない彼女の部屋のドアを恐る恐る開けた。
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