8.俺様の真実と

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* * * 学園長室を後にした俺は、そのままゲートを使わずに歩いて一年の寮へと向かった。 と言っても、ここから寮は見えないので距離はとても長い。 この学園は広い。 この世界は狭いのに、学園は広い。 そこでぼんやりと思う。 そう言えば、普通界は宇宙に有る球体だけど、範囲の狭いこの国はどうなっているんだろう。 シャチとかを知っているなら、海はある筈だ。 …ってー事はなんだ、日本国が収まる程度の小さな球体って事か? いや、それにしては地平線が遠く斜面がなだらかだよな。 んな小さな球体って事は、その分地平線も近いし斜面も急な筈だ。 そう思いながら、すっかり暗くなってしまった、だが星が眩しい夜空が草に着地する点をじっと眺める。 フクロウの鳴く音が耳に遠い。 風が吹くと、月に照らされた雑草が優しく揺れた。 ああ、でも。 そんな事は、どうでもいいか。 この世界はこんなに綺麗なのだから。
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