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魔法書を読み、自分で勝手にクレイディウスへ行き、クレイディウスの古い図書館の持ち帰り禁止の本を読んだ。
そして……ついに、クレイディウスでも使える人間が3人しかいない魔法が使えるようになってしまう。
それを母に見せると、母は俺の目を見ないようになってしまった。
それどころか、母は俺の名前も呼ばなくなったのだ。
そこで俺は悟った。
なぜ母が笑わなくなったのかを。
母は、俺が恐ろしくなってしまったのだ。
人が並はずれた能力を持つ人間をみつけると、生まれる感情はなにか?
それは、驚きや尊敬、感嘆や憧れ。
そう、“ある程度の能力なら”。
その能力が、桁外れになってしまうと……。
生まれる感情は、恐怖。
こいつは自分達と違う、と。
母は、俺を化物と認識してしまったのだ。
それを悟った当時小学生の俺はその日から無意識に、魔法を使うのを禁じた。
全ては、母の笑顔を取り戻す為。
母にもう一度名前を呼ばれる為。
そんな幼少時代を送った今の俺。
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