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大志「や-や-や-や-♪」
威勢の良い声でスタジオに入ってきたのは大志だった
秋穂「大志?!」
比呂「またお前かよ…」
あきれたように比呂が言う
またってどういうコト?
大志「あっちで声優のオーディション受けちった(笑)」
秋穂「受けたって?!通ったの?!」
大志「1発合格☆」
1発合格?!
初心者の大志が…?
小さい頃からボイストレーニングしてたあたしでも6回目でやっと通った普通ではなかなか通らない
――――ギュッ――――
突然大志に抱き締められた
秋穂「ッたい」
大志「秋穂を」
何?
大志「のら狼から守るためや」
のら…
狼???
たしかに大志は比呂に向かってそう言った
比呂もそのコトバに反応してこっちを向いて睨んでくる
意味不明
そんなことなんか知らんぷりして大志はあたしの手を引いてアフレコルームに入って行く
何が起きたのか理解不能
―――――――――
結城「千裕どした?なんか機嫌悪くない???」
比呂「別に…」
結城「あの男に秋穂チャン取られるぞ」
比呂「それがどうした?俺には関係ない。」
少しの間沈黙が続く…
結城「千裕…も-チョット素直になれよ。大事なモノ全部取られるぞ…」
――――バンッ―――
ビクッとする
比呂がアフレコルームの壁を手で殴っていた
すぐにヘッドホンを脱いで比呂に近付く
秋穂「比呂?」
比呂は邪険に睨んでくる
こんな比呂を見たのは初めてだった…
怖い?
怖くない…
大志「そんなやつほっとけ」
秋穂「ほっとけないよ!」
ほっとけない…
比呂はたしかにあたしより年上で…
あたしより大人で…
あたしより賢くて…
あたしより演技が上手いけど…
大志「なんでそいつかまうねん?!キライやったんちゃうんか??」
なんでそんなむきになって言ってるの?
比呂「大森…チョット来い。」
秋穂「へ?…比呂なッ」
何?
って聞くまえに腕を強引に引かれた
大志「秋穂!」
大志の呼ぶ声がした
秋穂「待ってて!」
比呂の強い力に逆らえずにいた…
秋穂「…比呂!痛い!!!」
比呂の力は思ったより強かった
ついたのは用具室のような場所
ここは掃除用具とか古くなったヘッドホンとかが入ってる
こんなトコロで…
なんだろ?
秋穂「比呂?」
比呂は真剣にあたしの顔を覗いてくる
あのトキの大志と同じ瞳で
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