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…カリカリカリカリ
黒板に書かれている事を、机に広げたノートにひたすら書き写していく。
『であるからして……』
本日最後の授業中。科目は私の苦手な数学……もう何がなんだかさっぱり!
でも、頑張らないと。
『…で…だ』
ムニャムニャ……
私の意識は、ここで途絶えた。
次に目覚めたのは授業終わりのチャイムが鳴った時。
『またやっちゃった』
数学の授業は、お経と言うか子守歌と言うか。私の眠りを誘うと言うか。
とにかく! 眠くなるのは仕様が無いと言うか……えーっと。先生?
『良く眠れたか? 早川』
顔を上げた私の目前に、数学担当の先生がいた。どやされるんだろうなぁと思いつつも私は笑顔で言ってやる。
『はい♪それはもう!』
『……早川』
案の定、先生は青筋を出してピクピクしてるけど。怒ってるって程怒ってはいないみたい。あぁっと!!部活行かないと♪
『先生また明日ー!』
私は鞄を手に取ると、脱兎のごとく音楽室へ向かった。
『あぁ、また明日な……って、はやかわー!!』
怒声を出す先生を残して。
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