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ホントは少しも怒ってないけれど、怒っているフリをする私は性悪なのかな? ま!ま!ま!でも、これだけ待ったんだから良いよね?
『悪い……ちょっとしたアクシデントが……』
私が怒っている?事を既知したのか泰都が弁解を始めた。ほんの少しだけ笑みが零れそうになったのは秘密!
『…………』
私は無言のまま頬を膨らませた。やってから気付いたけれど、古典的かな? この怒り方は……。泰都だってなんかにやけてるし。
『お詫びに暖かい飲み物おごるからさ?』
私はそんなんで釣られる程甘くなんかないよ。
『……………』
甘くなんか……
『な?』
泰都が私を覗くように見てくる。でも!でも……
『……コーンポタージュ』
これは仕様が無くであって、釣られた訳じゃ……
『ははは♪了解了解♪』
『笑うなぁ!』
泰都が掛かったな? と言わんばかりに笑うものだから、私は少し恥ずかしくなって泰都の背中を叩いてやった。泰都はごめんと謝りながら、冷えた私の手を暖かく包み込んだ。
『じゃ、行こうや♪』
泰都は笑顔でそう言った。ホントに楽しそうに笑うものだから、さっきの事なんてどうでも良くなった。
『……うん♪』
楽しもう!!
泰都に先導されながら歩きだす。泰都は、私を楽しませようとしてくれているのか話を絶やさない。私はそんな泰都を喜ばせたくて、泰都にだけ見せる飛びっきりの笑顔を向けた。
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