クリスマスの奇跡

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「すみませ~ん!遅くなりました!」 そう言って私は保育園に息を切らしながら駆け込んだ。 「柚く~ん!お母さんが迎えに来たわよ~!」 この保育園の園長先生がそう言って息子を呼んだ。 「お母さん。ちょっとくらい遅れても大丈夫ですよ?そんなにいつも息切らして迎えに来られなくても。」 そう言って園長先生は笑っていた。 「ありがとうございます。つい…」 そう言って笑った私に園長先生は 「お母さんは本当に柚くんが大好きなんですね。」 そう言った。 そうこうしてる内に廊下の奥からでも聞こえる様な大きな声で 「ママ遅いよ~!」 と言いながら息子が走って来た。 「ごめんねぇ。」 両手を併せて謝ると息子は 「僕は平気だけど!」 そう言って笑った。 「じゃあ柚くん、また明日ね。」 先生がそう言うと息子は元気に 「はーい!」 とお返事。 私も一礼して保育園を後にした。 息子と手を繋ぎ、クリスマス一色の街を通り抜け家へと向かった。  
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