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瞳に映るは陽のくれた窓と天井。 記憶が無い……かと思ったが、いつの間にか寝ていただけだ。口の中は乾いた味がする。 家か。今何時だ。 22:38 まだ日付が変わる前。確か寝てしまう前に風呂は沸いていたはず。 風呂入ろ。 大丈夫、まだ温かい。 1日の事を思い出す。 頭が熱い。 窓から部屋に真っ直ぐ入る日差しが枕元を直撃していた。 布団で頭を隠しケータイをまさぐる、あった。 メールが4件、返事が必要そうな1件にレス。昨夜の23:44に着たメールだ。 風呂上がりの24時過ぎに気付いたから翌朝に持ち越したのだ。 頭が回り始ると小説を手に取る。 最終巻。 簡単に言うと、夏休みの終わりから2ヶ月 夏を探してひたすら南へ向かう駆け落ち話。 最後は泣けるのなんのって。 初めて読んだのは高校受験の日。面接の待ち時間とかで3巻、帰宅して4巻を読み倒した。 3巻から雲行き怪しい展開だが、どうせハッピーエンドへの演出だろ?と思ってたら最後は…………ニュートラルエンド?で、よくわからんが俺の期待、というか希望は打ち砕かれた。 話はありがち、キャラで読んでる感じかも。 主人公が首にカッターナイフ突き刺して刃が中で折れて、それを取り出すシーンは上手いこと書かれてると思う。 ぅ、寒い 風呂が温かかったいのは、希望から見た幻想か。 暖房の無い部屋の布団から出てきた自分に、少し冷めた風呂は優しい温もりをくれたように見えたが 感覚器官がマトモに働き始めると、肌はさっきまで心地良かった湯を中途半端な湯冷ましと判断する 布団に入る 段々、自分の体温で温かくなる。 こんな時、俺に優しくしてくれるのは、太陽でも風呂でも布団でもなく 自分だけだった。
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