[思念]

7/7
前へ
/41ページ
次へ
「兄貴…」 俺は思わず声をかけた。するとその姿は次第に遠ざかり消えて行こうとしていた。 「待てよ…待てって兄貴…秀!!…」 それでも必死に追いかけているといつの間にか雪の上に裸足で立っていた。 「さむゞい」 夢とは思えないくらいの寒さを感じながら一本の木に寄り添い、座り込んだ。 「秀明」 すると今度は、袴姿の小さい頃の兄貴が立っていた。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加