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以前同じような夢を見た。だが、今回はそれ以上にリアルに記憶が繰り返しているようだった。
そしてふと気がついた頃には俺も小さくなっており、兄貴の背中で泣きじゃくっていた。
「もぅ泣くな」
「グズっ…」
「お父さんもお母さん、おばあちゃん達みんなで心配して探してたんだぞ」
「ごめ…ごめんなさ…ぃ」
「しょうがないなぁ秀明は」
そう言って落ちかけていた俺をおぶり直して、また歩きだした。
「お父さんたちは秀明がどうでもいいわけじゃない。ただ僕が体が弱いばかりに心配症になって…本当にごめん」
「…」
「僕がもっと丈夫だったならみんなに心配や迷惑をかける事も無かったんだけど」
「秀は…悪くない。俺がわがまま言ったから」
「そのくらいで良いんじゃないかな」
「えっ」
「秀明は頭が良い分いつもガマンしすぎるからわがまま言ってる位がちょうど良いんだよ。もっとバカになりな。その方が素直だ」
「バカ兄貴…」
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