初出勤

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今日は記念すべき初出勤の日。 どこの誰かは知らないが書類を拾ってくれたお陰で倫子は無事入社手続きを終える事が出来た。 会社へ向かうと面接をしてくれた女が出迎えてくれた。 「おはよう。よく眠れた?今からあなたの仕事場を案内するわ。」 二人はエレベーターで移動しある部屋へ入った。 「ここが今日からあなたの職場よ。全員で8人とちょっと人数が少ないけど、ここで作家の書いた本を翻訳してもらうわ。点字の翻訳の中心部よ。 中にはあなたみたいにちょっと耳に障害を持ってる子もいるし手話を使える子もいる。全員じゃないけどね。」 「みんなー。ちょっとだけ手を止めてくれる? 今日からみんなと働く佐々木倫子さんよ。4年間翻訳をしていたからベテランさんよ。ただちょっと耳に障害があるけど大丈夫よね。 仲良くしてあげてね。」 倫子はみんなに笑顔で一礼した。 「佐々木さん、私は斎藤。分からないことは聞いてね。こっちの机を使ってちょうだい。」 斎藤はゆっくりした口調で倫子に話しかけ、倫子はその口の動きを見て頷いた。
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