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ー東京ー
「えーと、佐々木倫子さん。高校を卒業後に出版社に就職されて、そこで4年間点字の翻訳のお仕事をされていますね」
女は声を出しながら手話で話しをしていく。
倫子(はい)
倫子は頷きながら手話で応えた。
「本日は当社で翻訳の仕事をしたいとの事ですが……よろしいですか?」
倫子(はい)
「わかりました。ちょうど我が社の社員が辞めてしまった所なんです。幸いにも佐々木さんは4年間の実務経験もありますし、こちらにとっては願ってもいないことです」
女は静かに席を立ち手を差し出した。
「よろしくお願いします。頑張って下さい」
倫子(!!!)
倫子も素早く立ち上がり女の手を取って握手した。
「早速だけど…明後日から仕事出来るかしら?この書類に必要事項を書いてもらっていい?それからここに書いてある書類を明日持ってきてくれれば明後日から働けるわ」
倫子は女から書類を受け取り頷いた。
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