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ボロボロになって破りもしてあるその写真を、優は黙って拾い集めた。
「「優……」」
優が顔を上げると、真と進が目の前にいた。
後ろにはそれ以外の五人が。
進「ごめんな…」
真「守れなくて…」
二人共悲しそうな顔をしていた。
「大丈夫だよ。写真なんて、またどうにかなるし…」
優はそう言いながら笑った。
「無理をしたらダメよ、バカ優。」
屋上の七人の背後から、優の親友みちるが歩いて来た。
「あの写真は、お父さんが持ち歩いてた特別な写真なんでしょ?」
みちるがそう語りかけて、初めて優の瞳から涙が溢れ出した。
「みちる…!!……裏側に、お父さんが書いてくれてたの。
“愛娘、優と”って。
なのに、私、守れなかっ…」
それ以後の言葉は、優が号泣してしまったので聞き取れない。
みちるは優を抱きしめて体をさすってやりながら慰めていた。
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