【 コトバ綴 】

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【 クリスマス・イヴ 】 「アル~早く来いって!」 「待ってよ 兄さん!!」 今日はクリスマス・イヴ 町はネオンで輝いて白い光が温かい もう何度目になるのかな? 兄さんと二人きりのクリスマスは 「アル ほら見ろよ」 「わ~ 綺麗だねえ」 小さなガラスのクリスマスツリー 光が反射してキラキラ光っている 「この前さ ここの店前通って気付いたんだ」 ボクたちのところにはサンタさんは来ない 何時から来なくなったのかな 毎年 クリスマスの日は 大きなチキンと母さん特性のシチューを食べたね もう あの味は記憶の奥に残っているだけ 「ホント 綺麗だな」 兄さんの瞳は ツリーが映ってて キラキラ輝いている でも 何処か寂しそうで 「このツリー… 買おっか 兄さん」 「…アル?」 「クリスマスだし いいよね」 一瞬驚いて それから満面の微笑み ボクは兄さんには笑っていてほしいんだ 嬉しいな 「アル 開けるぞ」 店を出て 包みを開ける まるで昔に戻ったみたい キラキラ光る小さなツリー 光の粒子はボクたちを包んでく サンタさんは来ないけど 母さんの料理はもう 食べられないけど ボクには兄さんが居る 兄さんが笑ってくれるなら 兄さんと一緒なら ボクは寂しくなんか無いよ 「ね 兄さん」 2003.12.24
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