白い僕 赤い君

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深々と深々と、音無き世界に雪は舞う。 「何故、」 「その質問は飽きたわ?」 さっき聞いたもの、と赤い少女は自身の頬に手を当てた。 少しむぅっ、としたその表情に退屈の色。 会ってまだ数分も経っていないのにもう少女の顔はいくつかの色を見せる。 それに対し、少年にはなにもない。 発する言葉ですら音も重さもない。 そんなのは言葉じゃない。
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