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一時間後。
幸枝は、すっかり出来上がっていた。
顔は真っ赤になり、目は据わっている。
酒もシャンパン一本では足りなかったのか、発泡酒の缶が二本ばかり追加されていた。
すでにクリスマスの厳か(おごそか)な雰囲気や華やかさなど微塵もなく。部屋に居るのは、飲んだくれオヤジ化した、悲しきOLの姿だけ。
実家の両親が見たら、さぞやお嘆きになる事であろう。
しかし、今は誰もいない。
だらしない姿を注意する親も、悲しい時に一緒に泣いてくれる友達も、そして、笑顔くれる筈だった彼氏ですらも。
「本気で好きだったんだけどな…。
はぁ、もう疲れちゃった…。」
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