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本来なら、幸枝の向かいの席には付き合い始めて半年になる彼氏が座っているハズだった。
クリスマスは一緒に過ごそうねって言っていたじゃないか。
「…サトシさん…」
幸枝が何気なくつぶやいた。彼氏の名前を。
サトシはクリスマスにまで残業をする程の仕事の鬼!…というワケでもなく、ましてや交通事故で他界してしまった…というヘビーな話でもない。
サトシが幸枝の前にいない理由。
「…ごめーん!俺、今さぁ、付き合ってるヤツがいるんだわ。
やっぱ二股とかよくないじゃん?
んな訳だから俺達は別れよう?」
そう携帯に電話があって、話し終わったら一方的に切られた。
まさに、それっきり。
数分後、我に返った幸枝がサトシに電話をしたが、ご丁寧に着信拒否にしてあるという徹底ぶりだった。
それが昨日、23日の出来事。
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