~出会い~

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ふと見ると、噴水の近くのベンチが僕を誘った。     「…ちょっと休んでいくか…」     寒空に向かい、涼しげな音を立てて吹き上げられた水が静かに流れ落ちてくる。     「…『噴水』…か…こうして見ると、吹き上げられた水っていろんな形してんだな…」     寒さも忘れ、水しぶきに見入っていた。   どのくらい経っただろう? 冷たい風が頬に当たり、公園の、これもまた寒そうな、背の高いポールの上にある丸い時計を見上げる。     「あっ…もうお昼か……あれ?」     気がつくと、公園には僕しか残っていなかった。 きっと、みんな愛を語りながら昼食に行ったのだろう。     「…誰もいない公園ってのも…悪くないな……寒いけど(苦笑)」     半ば意地だったのかもしれない。 もう少し… 噴水を眺めていようと、時計から目をそらし、噴水に顔を向けたその時だった…     .
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