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噴水の向こうに、真っ白な服を着た人物が立っている。
わからないままに、僕はその人物から目を離せなかった。
「…」
『……ねぇ、きみ。』
「…へっ?僕?」
一瞬、耳を疑った。
一度も女の子から声を掛けられたことなんか無かった。しかし、周りを見渡しても、この場に居るのは僕とその人物だけだった。
「…な…何か…?」
次の言葉を待った。
しかし、返事は返ってこない。
聞き間違いだったのなら恥ずかしいので、公園を出ようと、ベンチから立ち上がった。
『…きみ、俊哉くんでしょ?』
「えっ?!」
にっこり笑ったその人物に見覚えはなかった。
でも、確かに僕の名前は【俊哉】だ。
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