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「ん?」
遠くにあった羊雲の群れがいつの間にかずいぶん近くに来ている。
そういえば風がかなり出ている。
羊雲はとんでもなくデカかった。
恐らく数kmの高さはあるだろう。
俺のいる位置はその一匹の羊のまさにど真ん中だった。
ちょっと怖くなったが、なぁに、どうって事はない。
『デカいからって調子に乗るな!お前と俺とじゃ体の細胞の密度が違うんだよ!弾き飛ばせるもんなら飛ばしてみろ!』
俺は羊雲に中指を立ててやった。
しばらくすると羊達は本当に向かってきた。
視界が暗い灰色に覆われたと思ったその時、もの凄く冷たい濃霧が俺を包んだ。
「んわわわわ。」
俺は急いで雨合羽を取り出し、素早くまとった。
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