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畳に寝転んでいるサカタの視線の先には庭があり、その真ん中に脚立が立掛けてあった。
サカタはのそりと起きた。
ああ、そうだ。俺が屋根の雨どいを直してる時に妻が大声で「出て行く」と宣言したのだ。
急いで家に入ったものだからそのままだったのか。
彼は幽霊のような頼りない足どりでサンダルをつっかけ、庭にペタリペタリと出た。
本来俺はあまり背が高くないから脚立を一本に延ばして地面から屋根のフチに立掛けていたのだ。
サカタは脚立を見上げる。
「ん?」
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