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30分程経った頃、俺はまた梯の前にいた。
食糧を可能な限り詰め込んだリュックに寝袋を巻きつけ、登山用の頑丈な靴に革手袋といういでたちだった。
これでも大学ん時からロッククライミングや登山をやっていたのだ。
登る事には自信がある。
この時に辞めておけば良かったのだ。
おとなしく家で寝ていれば良かったのだ。
不幸に押し潰されて行く先を見失った人間ほど馬鹿で恐ろしいものは無い。
ついに俺は梯を掴み、一段目に足をかけた。
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