3人が本棚に入れています
本棚に追加
梯は少ししなっているようだが安全面には何ら問題はないようだ。
あっという間に家より高くなり、近所の庭が丸見えだ。
他の人には見えないのか道行く人は見向きもしない。
いつもうるさいバカ犬が俺に向かって吠えている。ヤツには見えるのか?
踏み切りの音がまた聞こえてくる。
少し向こうに赤くチカチカ光っているのが分かる。
もう周りに俺より高い建物などない。
俺は口の端で少し笑った。
『引き返す』
そんな概念は俺の中には無かった。
『より高く』
そんなかっこいい信念に突き動かされて俺は登りつづけた。
最初のコメントを投稿しよう!