第1話:プロローグ

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 ブラインドの隙間から眩しい光が差し込む。 眩しいけど何故か清々しい。外は凄い天気が良さそうだ。気持ちもここまでクリアなら言うことはない。 ―1年間の 外科勤務が終わった―  終わったという達成感はあるものの「スッキリ」とした感覚ではない。 1年間というこの期間は自分で決断したものではなく、資格を取る為に病院側が自分に対して取ってくれた措置だ。 この上ない待遇措置は有り難いものではあるが、1年での移動や、資格習得の為の勤務体制などは、他の看護師から良く見られる筈もなく、外科にいる自分自身の肩身は狭かった。
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