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緑川優子は気になっていた。
村崎亜紀と白河耕平は、単なる先輩と後輩という関係だけではないのではないか?
赤坂真奈美も考える。
「確かに親密過ぎるかも~」
「村崎先生って…彼氏いないよね?」
「さぁ~? プライベートはほとんど知らないから。でも…モテるだろうな~。彼氏いない方が不自然かもね~」
赤坂真奈美が腕を組んで、足を組む。
村崎亜紀の真似をしているのだろうが、大人の色気という要素が圧倒的に欠けている。
自分でも似合わないことに気付き、姿勢を正した。
「現国の茶畑先生なんて、村崎先生にベタ惚れじゃん。全く相手にされてないけど~」
「…そうだね」
「白河さんぐらいだよね~。村崎先生があれだけ心を許してるのは」
「…そう…だね…」
緑川優子のテンションが急激に下がっていく。
それに気付いた赤坂真奈美が、慌ててフォローに入る。
「ほら~、優子だって村崎先生に負けてないよ。若い分、もしかしたら村崎先生より上かも」
「………」
緑川優子のテンションが氷点下にまで下がってしまった。
気まずい空気が支配して、二人とも黙ってしまう。
その時、教室のドアが開いた。
「まだ残ってたの? 熱心なのはいいけど、それなりの成果は出てるんでしょうね?」
噂をすれば何とやら。
村崎亜紀の登場である。
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