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私の表情から考えていることを読んだのか、おじいさんはまた、にっこり笑った。
「今日みたいな日に、あなたのような若い御嬢さんがそんな顔で街をあるいているのは悲しい。……それに、私もひとりで寂しく思っていたところですし、ね」
「……」
私は、上目使いでおじいさんの目を見つめる。
小さくて、目尻には皺があるけど、とても優しい目。
「……分かり……ました。一杯だけなら」
「ああ、感謝します」
おじいさんはもう一度、優しく笑った。
▼
「ここのミルクティーがとても美味しくてね。チーズケーキとの相性が素晴らしく良い」
お店に入りながらおじいさんは言った。
ミルクティーにチーズケーキ。
どっちも私の好きなものランクの上位にある。
私は少し楽しみになって、おじいさんの後を追おうとする。
……あ!
「あ、あの!」
奥の席に向かおうとするおじいさんの赤い服の裾を掴む。
「どうしました?」
おじいさんはびっくりしたように振り向いた。
「あの……窓際の席で、いいですか?出来れば、大通り側の」
「それは、構いませんが。……冷えますよ?」
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