悲しいクリスマス…

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病院に運ばれた母と聖子… 父はただ祈る事しか出来なかった… 数時間後… まるで眠っているような ……だが……二度と目を覚ます事はない妻の手を握りながら号泣する 「俺をおいていくなよ…………」 深い悲しみに追い撃ちをかける医師からの説明… 別室に呼ばれ聖子の容態について言われたのは… 「奥様が命をかけて娘さんを守られたので…命に別状はありません…しかし…」 安心したのもつかの間… 「失明………?」 医師からの説明は父を不幸のどん底に落とした… 妻を失い…最愛の愛娘は光りを失った… 気が狂いそうになる… 「神様………」 思わず口にした… 連絡をしていた妻の両親や自分の両親や兄弟が駆け付けて来た… 妻の母親は 「娘は?聖美は無事なの?聖子は?」 父は現実を話せない… 父の両親は息子の顔を見て…結果が良くない事を悟る… 「慎吾…聖美さんの所に案内してあげなさい…」 父親の言葉に妻の両親を案内する… 妻の眠る部屋の扉をあける… 「聖美…ご両親がみえたよ…」 「き…聖美……?」 妻の母親は聖美の名前を呼ぶ… 「慎吾さん…聖美は…?」 そう聞かれ… 「聖子を守って……」 それ以上は言葉にならなかった… 「聖美……目を開けて……聖美……嫌っ…いや~~」 妻の母親の悲痛な叫びは慎吾の両親の耳にも届いていた…
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